2016年の「新潮文庫の100冊」を紹介してから早5年。まさか毎年まとめることになるとは思いもよらず。割と便利に思ってくださる方が多いようなので今年も簡単なリストにまとめました。
新潮文庫のこの企画は、100冊の本を「恋する本」「シビレル本」「考える本」「ヤバイ本」「泣ける本」の5つのカテゴリーに分けて紹介しているのが特徴。2020年は上下巻を含むとぴったり100冊の本がセレクトされているようです。いつもは「100冊」と言いながらそれを上回る数の本がセレクトされているので今年はちょっと珍しいかも。
今年のカテゴリーの内訳は下記の通り(上下巻含む):
- 恋する本 19冊
- シビレル本 21冊
- 考える本 20冊
- ヤバイ本 20冊
- 泣ける本 20冊
毎度毎度小冊子のキュンタの物語も胸にクル…今年のは特に好きだった。書店で是非手に取ってみてください。「国内作家」と「海外作家」に分けた索引も付けてくださってるのが個人的にはありがたかったです。
そして今年の既読冊数は48冊だけでした…。そういえば映画を観ただけで原作にはまだ目を通していない筒井康隆の『パプリカ』や、まだ未読の有名作『深夜特急』など読んでみようと思います。
そんな訳で今年も参考までに全冊リスト化しました:
2020年の新潮文庫の100冊全作品リスト
カテゴリー順→作者名順です。リンクをクリックするとamazonに飛びます。ちなみにプレミアムカバー版が発売されている書籍はその旨記載していますが、amazonではなく店頭での購入が必要になると思いますのでご注意を。そして今年も個人的なオススメを☆でマークしました。全冊読んだ訳ではないので勿論ご参考までに。
恋する本(全19冊)
「神様のボート」江國香織
「伊豆の踊子」川端康成 ☆
「よるのふくらみ」窪美澄
「いなくなれ、群青」河野裕
「星の王子さま」サン=テグジュペリ ☆最高
「痴人の愛」谷崎潤一郎 ☆
「ケーキ王子の名推理」七月隆文
「ケーキ王子の名推理・5」七月隆文
「こころ」夏目漱石 ☆最高、プレミアムカバー
「白いしるし」西加奈子
「グレート・ギャッツビー」フィッツジェラルド ☆最高
「錦繍」宮本輝 ☆
「太陽の塔」森見登美彦
「赤毛のアン」モンゴメリ ☆
「月と六ペンス」モーム ☆最高
「ぼくは勉強ができない」山田詠美
「キッチン」吉本ばなな
「手のひらの京」綿矢りさ
「吾輩も猫である」複数名
シビレル本(全21冊)
「わたし、定時で帰ります。」朱野帰子
「砂の女」安部公房 ☆
「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎
「ホワイトラビット」伊坂幸太郎
「精霊の守り人」上橋菜穂子 ☆最高
「月の影 影の海」上・下 小野不由美 ☆最高
「不思議の国のアリス」ルイス・キャロル ☆最高、プレミアムカバー
「深夜特急」1・2 沢木耕太郎
「人斬り以蔵」司馬遼太郎 ☆
「シャーロック・ホームズの冒険」コナン・ドイル ☆
「最後の秘境 東京藝大」二宮敦人
「しゃばけ」畠中恵
「探偵AIのリアル・ディープラーニング」早坂吝
「楽園のカンヴァス」原田マハ ☆
「ボッコちゃん」星新一 ☆プレミアムカバー
「東京奇譚集」村上春樹 プレミアムカバー
「太陽と乙女」森見登美彦
「村上海賊の娘」1 和田竜 ☆最高
考える本(全20冊)
「羅生門・鼻」芥川龍之介 ☆
「受験脳の作り方」池谷祐二
「黒い雨」井伏鱒二 ☆
「海と毒薬」遠藤周作 ☆
「檸檬」梶井基次郎
「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」加藤陽子 ☆最高
「こころの処方箋」河合隼雄
「孤独のチカラ」齋藤孝
「さくらえび」さくらももこ
「フェルマーの最終定理」サイモン・シン ☆最高
「殺人犯はそこにいる」清水潔
「一日江戸人」杉浦日向子 ☆
「君が夏を走らせる」瀬尾まいこ
「ひとり暮らし」谷川俊太郎
「この世にたやすい仕事はない」津村記久子
「車輪の下」ヘッセ ☆
「老人と海」ヘミングウェイ ☆
「日日是好日」森下典子
「数学する身体」森田真生
「約束の海」山崎豊子
ヤバイ本(全20冊)
「残るは食欲」阿川佐和子
「何者」朝井リョウ
「レプリカたちの夜」一條次郎
「江戸川乱歩傑作選」江戸川乱歩 ☆
「「超常現象」ー科学者たちの挑戦ー」NHKスペシャル取材班
「変身」カフカ ☆
「異邦人」カミュ ☆最高、プレミアムカバー
「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」川上和人
「ジキルとハイド」スティーヴンソン
「許されようとは思いません」芹沢央
「人間失格」太宰治 ☆プレミアムカバー
「螺旋の手術室」知念実希人
「パプリカ」筒井康隆
「罪と罰」上・下 ドストエフスキー ☆最高
「土の中の子供」中村文則
「イノセント・デイズ」早見和真
「ミッキーマウスの憂鬱」松岡圭祐
「豆の上で眠る」湊かなえ
「満願」米澤穂信
泣ける本(全20冊)
「青の数学」王城夕紀
「あつあつを召し上がれ」小川糸
「博士の愛した数式」小川洋子 ☆プレミアムカバー
「夜のピクニック」恩田陸
「さがしもの」角田光代
「明るい夜に出かけて」佐藤多佳子
「ある奴隷少女に起こった出来事」ハリエット・アン・ジェイコブス
「カレーライス 教室で出会った重松清」重松清
「きみの友だち」重松清
「あと少し、もう少し」瀬尾まいこ
「ツナグ」辻村深月
「西の魔女が死んだ」梨木香歩 ☆
「しゃぼん玉」乃南アサ
「小公子」バーネット
「塩狩峠」三浦綾子
「絶唱」湊かなえ
「銀河鉄道の夜」宮沢賢治 ☆最高、プレミアムカバー
「火車」宮部みゆき
「夏の庭」湯本香樹実
「空が青いから白をえらんだのですー奈良少年刑務所詩集」寮美千子
さいごに
小冊子を見ると作品中の一節が各本毎に紹介されているんですが、それだけで読みたくなるものばかり。湊かなえ『絶唱』の、「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、あんなことを言ってごめんなさい。」とかはサイコホラー系なのか感動ものなのか気になるし、『空が青いから白をえらんだのですー奈良少年刑務所詩集』の「Aくんのおかあさんは、まっ白でふわふわなんやと思いました」とかはその一節だけで涙が出そうに。まだまだ手にしていない本で溢れているこの世界、この冊子を一つの道標にしながら探検してみるのも良さそう。
2016年と2017年の、個人的にオススメしたい10作品も下記に置いておくので、みなさんも宜しければ参考にしてください。
2018年と2019年のリストは以下:
良い読書の夏を!